コンテンツビジネスの行方 弁護士にできること(2) 水戸黄門に思いをはせて
先日のお昼、エンターテインメント法分野で活躍中の先輩弁護士大橋卓生先生(通称:おはさん)と一緒に、
肖像パブリシティ権擁護監視機構
http://www.japrpo.or.jp/teigi/iindex.html
の弁護士山崎司平先生を訪ね、ランチをご一緒させていただきました。
司平先生は昭和61年に中森明菜のカレンダー等の不正販売業者に対し、パブリシティ権に基づく差止の仮処分決定を勝ち取って以降、著名人のパブリシ ティ権、肖像権の擁護に尽力されています。
私の修習生時代、ニ弁の修習委員長をされていたことをきっかけにその後も、よくしていただいていますが、今回も 仕事に対する熱い想いをお聞きし、おはさんとともに圧倒されました。
ここで、実感したのは、エンターテインメント、コンテンツビジネスの分野に携わるものとして、パブリシティ権と著作権は、 水戸黄門における助さん角さんなのだということです。
コンテンツという黄門様は、上品な服をきていてお金をもっていそうなのに、おじいちゃんなので、全国各地の無法者からの侵害に非常に弱い。
そんな無法者の侵害に対して、我々弁護士は、事前に、助さん格さんを用意して、常にお供させるよう手配を怠らないことが必要です。
具体的には、音楽、映像、舞踊といった著作物としてのコンテンツに対しては、興行主体と作り手との間で著作権、著作隣接権の帰属を明確にした契約書を交わすことが必須であり、これを怠るといらぬ紛争を招き、場合によっては、致命的な損害を被る可能性があります。
さらに、芸能人、スポーツ選手といった有名人の集客力にただ乗りして無断で顔写真等を使用された場合に備え、現実的に起こり得る事態をシュミレーションした上、いかに早く事態を把握し、効果的な対策を取ることができるかが重要です。
ネット社会において、このような助さん格さんの存在の必要性は急激に増しています。
コンテンツビジネスの場合、一度侵害された利益の回復は容易ではありません。
うっかり八兵衛にならないよう、細心の注意が必要だと思います。